一 般 社 団 法 人 ひ と よ し 球 磨 青 年 会 議 所  2019年度 理事長所信

一般社団法人ひとよし球磨青年会議所

                                                                        第61代理事長  山 口  智 充

1.基本理念

響心

~地域の次代を切り拓く青年であれ~

 

2.運営方針

1.持続可能な自立したまちづくり

2.愛郷心溢れる青少年の育成

3.魅力を備えた人材の育成

4.JC運動の発信と会員の拡大

5.進化を続ける組織の運営と事業構築

 

3.所信

【はじめに】

 1951年5月27日「新日本の再建は我々青年の仕事である」という覚悟のもと、日本の青年会議所運動は、戦後の混乱の中、記念すべき第一歩を踏み出しました。終戦後わずか6年で祖国再建を志し、日本青年会議所を創立した先輩方はまさに混沌という未知の可能性を切り拓く変革の能動者です。青年会議所は「修練」「奉仕」「友情」の三信条を掲げ様々な分野において、青年としての正義感、理想を追求する心、真摯な情熱という価値観のもと、積極的に運動を展開し、やがてその運動は全国に広がりを見せ始めました。

1959年3月18日、この人吉球磨地域においても全国で154番目、熊本県内では3番目の会員会議所(以下、LOM)として、人吉青年会議所「現:一般社団法人ひとよし球磨青年会議所(以下、ひとよし球磨JC)」は認証されました。当時の人吉球磨地域は経済成長の最中にあり、インフラ整備と生活水準の向上が図られながらも、地域間の連携や市民・行政・地域諸団体の連携という部分において課題も多く、そのような状況の中、熱い情熱を持った青年達によって、〔JCとは「やるかやれないか」ではなくて「やるかやらぬかだ」という考えの中“和“を第一のモットー〕(社団法人人吉青年会議所創立50周年記念誌、初代理事長 外山 敬次郎先輩記載文抜粋)とし、活動が始まりました。

それぞれの時代で人は変わり、手法や表現は異なっても創始の精神は脈々と受け継がれ、現在に至ります。地域のために立ち上がった先輩方の「想い」を未来永劫引継ぎ、今後もひとよし球磨JCを継続発展させるためにも、まずは我々自身がぶれない心で、真っ直ぐに物事を捉え、共に活動している仲間同士が影響しあい、感謝の気持ちを常に忘れず、何事にも積極的に挑まなければなりません。いつの時代においても、未来を築いていくのは我々青年の役目であり、それこそがJAYCEEとしてのあるべき姿です。

【持続可能な自立したまちづくり】

2014年、日本の各地方における人口減少と、都心部への一極集中化に歯止めを掛け、日本全体の活力を上げる事を目的とした政策「地方創生」が掲げられました。そして今、各地域における地域力の向上が求められています。

我々の活動エリアである人吉球磨地域には史跡、名所が数多く存在します。また、自然豊かな地域であり、農林業を中心とする第一次産業が盛んで、地域資源を活かした観光振興による地域活性化が進められています。近年直面している人吉球磨地域の課題として、少子高齢化による生産年齢人口の減少や、高校卒業後の都市部への人口流出が挙げられます。この原因がもたらす労働力不足が地域経済の縮小を呼び、地域経済の縮小がさらなる人口減少を加速させるという悪循環の連鎖を抜け出すためには、地域・人・仕事の好循環を確立することが重要です。この解決には、次代を担う我々が青年経済人として多様な価値観を持ち寄り、新たな価値を見出す事で、地域経済の発展に寄与し、地域力の向上に貢献する事が必要です。

昨年開催した、ひとよし球磨JC創立60周年記念式典において、創立60周年実行委員長が未来への提言として掲げた中の外国人観光客に関する事業を開催し、人吉球磨地域が観光客の増加につながるきっかけづくりになることを目指します。

さらに、人吉球磨地域では、商業や経済などの中心的な役割をもつ人吉市において、市長選挙がおこなわれる予定であり、この選挙に先立ち、公開討論会をひとよし球磨JCが主催いたします。地域住民の皆様が公開討論会に参加することで、来たる選挙に向けて、立候補予定者の政策を知ることができます。さらに、立候補予定者の生の討論を聞くことにより、形式的にどんな政策を掲げているのかどうかだけでなく、有権者が積極的かつ主体的に政治参加し、政策本位の政治選択をして頂く機会を提供します。

自分達の“まち”は自分達がつくるという意識のもと、地域住民と我々JCメンバー一人ひとりが地域に愛着を持って誇りある人吉球磨地域の創造を目指す事で「明るい豊かな社会」の実現に向けて共に努めてまいります。

【愛郷心溢れる青少年の育成】

私が子どもの頃を思い返すと、今のように携帯電話や携帯ゲーム機も普及しておらず、学校が終われば仲の良い友達と近所の公園や広場で遊び、また、田んぼや小川でどろんこになっていた事を思い出します。また、相撲大会など地域の行事も今より盛んにおこなわれていました。私が大人になった今感じる事は、それらの他愛もない一つひとつが、社会生活を形作っていくうえで共通に求められるルールやマナーを学ぶきっかけとなっています。また、自然と共に遊んだ記憶は愛郷心となり、地元への愛着はやがて、自国に対する愛国心や、誇りにつながっているように思います。

改めて今の地域社会を見てみると、地域の子どもは地域で育てるといった考え方は薄れ、子どもと子ども、親と子ども、親と親の関わり方のあり様も変化し、どちらかというと個人が尊重され過ぎた世の中になりつつあるように感じます。

また、2015年度に創設された「日本遺産」熊本県の第1号として人吉球磨地域が全国17地域とともに選ばれました。日本遺産に認定された人吉球磨のストーリーの軸となるものが、相良氏による明治維新まで続いた700年という長きにわたる統治です。同じ領主がこれほど長い間同じ地域を統治した例はとても珍しく、全国でも人吉球磨の相良氏以外には3例しかありません。その700年の統治が現在の人吉球磨の地域に遺したものは、有形・無形にかかわらず日本の歴史そのものを語るために重要である文化財群です。しかも、その文化財群が、人吉球磨の現在の暮らしのなかに脈々と受け継がれ、この地域の日常の風景として溶け込んでいるのが特徴的です。歴史小説家・司馬遼太郎が、その著書『街道をゆく』で、人吉球磨地域のことを「日本でもっとも豊かな隠れ里」と記しています。

まずは、人吉球磨の宝である子どもたちに、地域の文化や相手を思いやる心を知る機会を継続事業である相良藩子ども塾を通してつくり、その中で愛郷心を育む機会や、自立した人間として他者と共によりよく生きるための基盤となる道徳心を養う場を提供します。

そして、この子どもたちを育てていく親やこれから親になる方々に対し親とは何か、求められることは何かなど、親として大切なことを学べる事業を実施します。

さらに、ひとよし球磨JCが認証された時の日本JC会頭であられたご縁がきっかけで1994年2月22日に、茶道裏千家家元千宗室宗匠(現千玄室大宗匠)に創立35周年記念講演をおこなっていただきました。これを機に、翌1995年よりお茶会例会が継続的に開催されています。2018年度は、千玄室大宗匠をお迎えして創立60周年記念講演会と、青井阿蘇神社に於いて献茶式を開催しました。今年も青少年に対しお茶会例会を開催することで、日本が誇る伝統文化に触れ、礼儀作法を学ぶ機会を提供します。

【魅力を備えた人材の育成】

 JCの目指す「明るい豊かな社会」を実現するためには我々が志を共有して、運動を展開していくことが重要であり、そのためには我々が地域に必要とされる人材として成長しなければなりません。JAYCEEとして一年間の与えられた役割を全うした時の自分自身の姿を想像し、それを全うした時に個々の成長により魅力が向上します。この経験を有するメンバーがLOMの中で増え続けることで、地域からなくてはならないと認め続けられる組織となります。

そして、得られる成長や言動の変化は、JC運動に限らず様々な場面で関わる全ての人に良い影響を与える事につながります。さらに、新たに入会したメンバーやアカデミーメンバーに対しては、活動の意義やルールをしっかりと伝え、自分自身の入会当初を思い返しながら一緒に活動していくことが大切です。一人ひとりがその時その瞬間を大切にしながら、目の前の課題に真剣に取り組む事で、その魅力を高め続ける事ができれば、地域に必要とされる人材へと成長できると考えます。

今年度、日本JC公認プログラム等を活用し、気付きや学びを得る機会を提供することでメンバーの目的や価値観が変化し、得られる成長はJC活動に限らず、広く活かすことができ、己の人生そのものを一層豊かにできる無限の可能性を秘めています。

【JC運動の発信と会員の拡大】

2013年1月1日に、社団法人人吉青年会議所という名称から一般社団法人ひとよし球磨青年会議所という名称に変更されました。これは、人吉市民のみが所属し、活動する団体だという誤解を受けることもあり、さらなる広域的な事業展開や、会員拡大につなげる当時のメンバーの熱い想いによるものです。

名称変更から6年を迎える今、自分達の活動エリアが人吉球磨全域であることを改めて強く意識して事業を展開するとともに、各事業や活動内容をSNS等活用し、さらに新たな広報手段も模索しながら地域の方々とメンバーがより身近に情報の共有を図り、運動への賛同・参画を図ってまいります。

会員拡大は、拡大担当委員会が率先して行動するのは当然ながら、メンバー一人ひとりが、JC活動の中で真剣に学び、活動する事で得られる成長、すなわち個々の魅力向上を実感し、この経験や事業に懸ける熱意や想いを入会候補者に伝えることが重要です。JC活動を通して様々な役職や、多くの気付きや学びを得る機会を経験する事で、自身も気付かない内に目的や価値観が変化し、関わる人に対してより良い変化を与えられる人材へ成長している所に、JCの魅力があると考えます。

過去を振り返ると一年間で十数名の会員拡大を果たせた年もあります。それは、その時のメンバーの強い決意と努力の成果であり、その成果を無駄にすること無く、さらにJC運動が効果的に波及するために本年度もより一層の会員拡大を目指します。

【進化を続ける組織の運営と事業構築】

ひとよし球磨JCには脈々と受け継がれてきた伝統や進化を遂げてきた組織体系があり、先輩方から受け継いだ誇れる組織を次代へ引き継ぎ、さらなる発展を目指す必要があります。そのためには、責任と使命感を持ちながら残すべきは残し変えるべきものは変えながら効果的かつ効率的に絶え間ない進化を続け、人吉球磨地域住民の付託と信頼に応えられるJC運動を展開する必要があります。

まずは、委員会間での情報の共有や意思の疎通を図り、実り多い会議運営を推進してまいります。そして、コンプライアンスを徹底し、管理体制を継続できる基盤を確立する必要があります。さらに、JC活動を通して仕事やプライベートにも活かす事ができる決まり事や、ルールの周知徹底を図ると共に、効果的な会議を進めるための手法であるロバート議事法や、事業計画書作成方法の習得を推進する事も重要です。

 また、メンバーの大きな成長の機会となる熊本ブロック協議会、九州地区協議会、日本JC本会への出向を促し、各種大会に積極的に参画できるよう、魅力を含めた情報発信をスピーディーにおこないます。

そして、ひとよし球磨JCは、行政と大規模災害時における協力協定を2016年3月に結んでいます。災害時に初期段階において、迅速に行動をおこすためにも、人吉球磨地区青年5団体の集いや行政と勉強会や情報の交換をおこないます。

組織の一員である事の使命感を持ち、より良い事業の開催と透明性の高い組織運営を推進し、厳しくも優しく、妥協しない進化をつづける組織を目指します。

【さいごに】

 私は、2005年にひとよし球磨JCに入会しました。仮会員として最初の例会に出席した際、当時の理事長や役員の方々が壇上でまちづくりや愛郷心などの話を堂々とされておられている姿を見て凄い団体だなと感じたのが最初でした。それから、この方々に少しでも近づきたいという強い想いを持ち、例会や事業は必ず行くよう心掛けたのを今でも強く覚えています。また、同世代のメンバーが自分達の住む地域のことや、世界平和のことについて考えていることに感銘をうけながら14年間ひとよし球磨JCで様々な経験をし、少しずつ成長させて頂きました。

本年度、ひとよし球磨JCは創立61周年目という新たな一歩を踏み出す年となります。これまで積み重ねてこられた歴史・伝統を護りながらも、多様性を活かして今の時代を切り拓く組織となることを目指し、メンバー一人ひとりが自己の成長を図り、共に活動している仲間同士が影響しあい、愛郷心を育み、自らの行動が地域に響きわたる「響心」の想いで挑戦し続けることで、真にこの地域に必要とされる組織となるためのJC運動・活動をおこなっていきましょう。