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一 般 社 団 法 人 ひ と よ し 球 磨 青 年 会 議 所  2021年度 理事長所信

一般社団法人ひとよし球磨青年会議所

                                                                        第63代理事長   中嶽 修平

1. 基本理念

 希望
~人吉球磨地域の復興を力強く進めよう~


2.運営方針


一.災害の記憶を次代へ遺す地域づくり
二.メンバー一丸となって取組むJC運動の発信と会員拡大
三.故郷を誇れる青少年の育成
四.人吉球磨をリードする人材の育成
五.持続可能な進化を遂げる組織運営

 


3.所信


【はじめに】
 1951年5月27日「新しい日本の再建は我々青年の仕事である」という覚悟のもと、日本の青年会議所運動は、その記念すべき第一歩を踏み出しました。終戦後の混乱期でありながら、日本の再建を目指し、「ひとづくり」「まちづくり」「教育」「国際社会」「環境」など様々な分野において、青年としての正義感、理想を追求する心、真摯な情熱という価値観のもと、積極的に運動を展開し、創始の「志」は脈々と受け継がれ、60年を超えてもメンバーの手によりその歴史が刻み続けられています。

 1959年3月18日、この人吉球磨地域においても全国で154番目、熊本県内では3番目の会員会議所(以下、「LOM」といいます。)として、人吉青年会議所【現:一般社団法人ひとよし球磨青年会議所(以下、「ひとよし球磨JC」といいます。)】は誕生しました。そして、明るい豊かな社会の実現を理想とし、人吉球磨地域の抱える様々な社会的課題に積極的取り組みながら、60年以上に渡り、JC運動を展開してきました。

 2020年に入り、新型コロナウイルス感染拡大(以下、「コロナ禍」といいます。)は世界中に影響を与え、人の移動は制限され、社会生活も激変し、地元企業も倒産する等経済面においても深刻な傷跡を残しています。さらに、令和2年7月豪雨(以下、「7月豪雨」といいます。)により、人吉球磨地域は甚大な洪水被害に遭い、コロナ禍での水害 という二重の被害を受けています。また、メンバーの半数以上が自宅又は職場が被災しており、メンバーの経済的生活的基盤に深刻な被害を受け、JC運動に支障を来たす等、まさに、ひとよし球磨JC創立以来の最大の危機的状況に陥っています。

 しかし、このような危機的な状況であるからこそ、脈々と受け継がれてきた創始の精神に今一度真摯に向き合い、人吉球磨地域の力強い復興をすすめるためにも、我々自身が信念を曲げずに、仲間同士一致団結して、何事にも積極的に挑まなければなりません。いつの時代においても、未来を築いていくのは我々青年の役目であり、それこそがJAYCEEとしてのあるべき姿です。


【災害の記憶を次代へ遺す地域づくり】 
 コロナ禍による人の移動制限により、人吉球磨地域においても、観光、飲食業を中心に深刻な経済的被害を受けています。さらに、その回復に向けて動き始めた矢先、7月豪雨による洪水により、人吉球磨全域において、住宅、商業、農業など全ての分野において甚大な被害を受けました。

 コロナ禍と7月豪雨からの復興にはどれほどの時間を要するのか想像すらできない状況ですが、人吉球磨地域の復興を着実に一歩ずつ進めていく必要があります。そして、復興を力強く進めていくためには、時代を担う我々青年として多様な価値観と新たな価値を見出し、復興に積極的に携わることにより、7月豪雨災害以前よりも発展した人吉球磨地域への復興を推し進めます。

 また、7月豪雨の発災を受けて、ひとよし球磨JCは、人吉市社会福祉協議会との協定に基づき、人吉市災害ボランティアセンターの立上げ及び運営に携わってきました。コロナ禍という厳しい状況の中でのボランティアセンターの運営は、まさに前例が無い中での対応であり、これらの経験は、メンバーが一生に一度経験できるかどうか非常に重要なものです。このコロナ禍における7月豪雨の経験や教訓は、今後の大規模自然災害に向けた防災対応の強化のためには必要不可欠であり、地域全体で共有していくのは勿論のこと、決して風化させることなく次代へ継承していくべき大切な財産です。

 

【メンバー一丸となって取組むJC運動の発信と会員拡大】
 近年、全国的に会員拡大は難しい状況に置かれており、ひとよし球磨JCにおいてもコロナ禍及び7月豪雨の発災により、会員拡大が思うとおりに実行できていない現実があります。加えて、全国的な会員の減少傾向、LOMの減少など、決して先送りできない問題を抱えており、ひとよし球磨JCにおいても新入会員の入会が無ければ、2年後にはメンバーの人数が約半分にまで減少してしまいます。

 他方、青年会議所は、単年度制で毎年役職や担いが変わるという特徴を有していますが、設立以来、唯一途絶えることなく継続している事業が会員拡大です。意識変革を遂げさせるための能動的な機会を提供するのが青年会議所の使命ですが、会員拡大、すなわち青年会議所を知らない者にその魅力を伝え、その結果、入会の動機は何であれ、関わってみようという形で入会候補者の意識を変革させることこそが、青年会議所の使命そのものであり、JC運動の根幹を為すものです。

 そして、入会候補者の意識を変革させ、入会へとつなげるためには、メンバー一人ひとりが、JC活動の中で得ることができた学びと、成長そしてその思いを入会候補者に伝えることが重要です。さらに、コロナ禍において、社会的距離の確保が必要とされる状況下において、従前の会員拡大及び情報発信の手法が通用しないことが多くなっていることから、コロナ禍を意識した手法を生み出す必要があります。そこで、人吉球磨地域の住民の皆様をはじめ、人吉球磨地域の企業様にも青年会議所をより認知してもらい、一人でも多くの方にJC運動に関わってもらうために、コロナ禍を意識した各事業や活動内容をSNS等の広報手段を駆使しながら、会員拡大を意識した情報発信を行います。

 

【故郷を誇れる青少年の育成】
 私が子どもの頃は、学校が終われば友達と体を動かして遊び、休日には田んぼ、山や川で遊んでおり、携帯電話や携帯ゲーム機で遊ぶことは殆どありませんでした。また、地域の行事も盛んにおこなわれており、家族、地域住民総出でそれらの行事に参加していました。しかし、最近の子ども達は、私の幼少期と比べて自然や伝統文化に触れ合う機会が少なくなったと思います。さらに、コロナ禍による社会的距離の確保によって、学校行事や地域行事は縮小、延期又は中止に追い込まれ、子ども達を取り巻く環境は非常に厳しいものとなっています。また、コロナ禍及び7月豪雨による影響で、ひとよし球磨JCにおいても、10年以上継続してきた相良藩子ども塾も中止に追い込まれました。

 他方、人吉球磨地域には、世界に誇れる有形無形の文化財群や自然が存在しています。次代を担う子ども達に、地域の伝統文化や自然を五感で体験できる機会を提供し、故郷の資源を発見・再確認することにより、故郷を誇りに思うことのできる青少年を育成します。併せて、自ら考え挑戦する機会も提供し、成功や失敗の経験を通して子ども達の自立を促します。そして、高度に情報化・電子化が進む現代社会において、インターネットやコンピューターは、社会に必要不可欠なものとなっており、コミュニケーションのための有効なツールであることから、コロナ禍における青少年育成事業のツールとして活用も視野に入れる必要があります。​

【人吉球磨をリードする人材の育成】

 青年会議所は、明るい豊かな社会の実現を目指し、60年以上もの長きに渡り活動をしてきました。他方、近年、入会年齢の高齢化に伴い在籍年数が短くなる傾向にあり、メンバー自身がJC活動から得られる機会と経験とが減少しています。そこで、今一度、JAYCEEとしての責任と役割を深く理解し、コロナ禍における7月豪雨により被災した人吉球磨地域を牽引するリーダーとしての自信と自覚を醸成していく必要があります。

 そのためには我々一人ひとりのメンバーが、ひとよし球磨JCの歴史を紡いでこられた先輩の想いを再確認し、JAYCEEとして一年間の役割を全うし成長を遂げた姿を意識し個々の能力を高めていかなければなりません。

 今年度、まず、入会年数の短いメンバーに対し、青年会議所の目的や理念の理解を通じてJC活動の価値を認識してもらい、例会・事業への積極的かつ効果的な参画を促します。次に、ひとよし球磨JCの成り立ちに深く関わっているお茶会の意味や重要性を再確認し、茶道の和敬清寂の精神を学ぶことにより、メンバー一人ひとりの資質を向上させます。また、コロナ禍や7月豪雨が発生する等、激動する社会を生き抜き、地域に必要とされる人材となるために、日本JC公認プログラム等を活用し、気付きや学びを得る機会を提供することでメンバー一人ひとりに質の高い学びの機会を提供し、メンバーの能力・魅力を向上させていきます。

【持続可能な進化を遂げる組織運営】
 単年度制や40歳での卒業という特徴を有するひとよし球磨JCにおいて、創立から60年以上もの長きに渡り、脈々と受け継がれてきた伝統歴史があり、その組織は年を重ねるごとに進化を遂げてきました。それら諸先輩方が築き上げてこらた組織を時代の風を取り入れながらより進化させ、今後の長きに渡り引き継いで人吉球磨地域にJC運動を展開していく必要があります。

 まずは、メンバー間での情報共有体制を見直し、組織としての意思疎通や情報共有をより効果的・効率的に行っていきます。次に、コロナ禍での会議運営の経験をもとに、会議への出席率の向上及びメンバーの会議へのアクセスを向上させていきます。さらに、効果的な会議の進行方法であるロバート議事法や事業計画書作成方法をマスターすることにより、仕事に活用できる体制を構築します。また、組織への信頼を獲得向上させるために、コンプライアンス体制をメンバー一人ひとりが意識し、品格ある青年としての行動を徹底していくことにより、地域のリーダーとして信頼される組織となります。

 さらに、メンバー成長の機会となる熊本ブロック協議会、九州地区協議会、日本JC本会へのメンバーとしての出向は勿論のこと、役員としての出向を促し、各種大会に積極的に参画できるよう、情報発信を的確に行います。

 そして、青年会議所の理想を実現できる事業の開催と透明性の高い組織運営を推進し、厳しくも優しく、次代に続く進化を続ける組織を目指します。


【さいごに】

 私は、地域づくりをライフワークとしており、人吉市役所での勤務、人吉市での弁護士事務所開業と、その信念のもとに人生を切り拓いてきました。2016年、消防団の先輩がひとよし球磨JCメンバーであり、その先輩に誘われ、青年会議所がどんな組織であるのか全く知らずに入会しましたが、「明るい豊かな社会の実現」というJC運動の目的が私のライフワークと一致しており、青年会議所とともに歩いていくことを決意しました。JC運動を通じて多くの仲間と出会い、事業や例会への参加、熊本ブロック協議会への出向、委員長として議案作成と事業構築、そして、韓国南大邱青年会議所メンバーとの素晴らしい出会いにより、社会人として大きく成長することが出来ました。

 今年度は、コロナ禍と7月豪雨からの復興の途半ばにあり、ひとよし球磨JC創立以来最大の危機的状況の中、この素晴らしい組織を持続的に発展させながら、地域のリーダーとしてこの苦難の時代を切り拓いていくことを目指していきます。そして、我々ひとよし球磨JCは、その苦難を乗り越えていく過程で、メンバー一人ひとりが素晴らしい成長を遂げ、地域住民が安心して生活できる未来を目指し、希望溢れる人吉球磨地域の力強い復興を実現できるものと確信しています。

 

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